角川ホラー文庫<br> トランプ台上の首

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角川ホラー文庫
トランプ台上の首

  • 著者名:横溝正史
  • 価格 ¥616(本体¥560)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784043555017

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内容説明

散乱したトランプの上に置かれた女の生首――。隅田川沿いの古びたアパート「聚楽荘」で起きた猟奇事件の真相を探る表題作「トランプ台上の首」――。白昼の隅田川にポツンと漂う一艘の貸しボート。中には、首を途中まで挽き切られ、血まみれになって横たわる男女の惨死体が……。名作「貸しボート十三号」ほか、幻の探偵エッセイ「探偵小説講座」を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みみずく

9
表題作の他「貸しボート十三号」「探偵小説講座」が収録。「トランプ〜」も「貸しボート〜」にもボートが登場し、かつての東京の生活とボートは近いものだったのだなあと興味深かった。2編ともトリック、動機など中編ながら読み応えがあった。特に「貸しボート〜」は評判を目にしていてずっと読みたかったので満足した。内容は「ばかやろう!」っていいながら涙流して抱きしめちゃう…そんな悲しくて愚かな青春の物語だった。2013/11/20

marty@もぶおん学

6
隅田川沿いに建つとあるアパートの一室から、トランプの散乱したテーブルの上に置かれた女の生首が発見された。被害者はストリッパーのようであり、彼女のパトロン、劇場関係者、はては事件発見者の総菜屋など、いずれも怪しいようだが果たして……? 相変わらずストーリーは俗っぽいが、首と胴体が切断されて、なぜ首だけが残されていたのか? を謎の中心に据えた直球勝負のミステリである(なぜかホラー文庫所収)。シリーズの中では金田一耕助に好意的な警官が多い中、珍しく敵意を向ける菅井警部補の事件解決に至ったときの心境の変化も見物。2023/12/14

Kouro-hou

6
元になった短編版を読んだので、改稿最終版を再読。角川ホラー文庫なので表紙が杉本画伯ではなく、代わりにカラーイラストを収録。しかしこのひょっとこは本編に関係あるんだろうか? 収録の「トランプ台上の首」「貸しボート13号」共に被害者の死体は結構えげつないものの、特に加筆部分が人情モノだったり青春モノだったりして作品の印象としては明るい。 またオマケのネタバレ上等「探偵小説講座」は5行で分かるルルーの「黄色い部屋」の構造と真相などコラムとして面白い。2013/07/06

パロスペシャル

2
★5/10 トランプが4点で貸しボートが6点。トランプは何の手がかりもなく終盤に唐突にあのネタが登場して真相はそれでした~というなんとも残念なお話。貸しボートのほうは横溝作品では珍しい大学の体育会の友情を描いた作品。たとえパトロンといえども決して忖度しない、金田一の一本筋の通った性格を垣間見れるお話。2019/06/29

ジャッカル佐崎

1
角川文庫で展開されている「金田一耕助シリーズ」の1冊。確かに凄惨な殺人事件は発生するが、この程度の猟奇は金田一シリーズではよくあることなので、なぜ本書のみホラー文庫で刊行されているのかは不明。「トランプ台上の首」「貸しボート十三号」、両者とも異常な状態の死体が発見され、関係者の陳述で謎がさらに深まるも、ラストに金田一がズバっと解決して幕というお約束の展開ながら十分楽しめる。この作者は会話文を活き活きと書くのが本当にうまいと改めて気づかされた。2022/10/15

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